クロレラ栄養学(後編)〜クロレラの注目成分〜

2024年2月19日

クロレラに含まれる栄養素・成分をご紹介。タンパク質、フィトケミカル、必須脂肪酸など優れた成分がたくさん。

クロレラがもつ優れた栄養素・成分は?

クロレラ細胞に含まれる栄養素・成分をご紹介!

■目次

  1. 人間の体を作る「タンパク質」
  2. 優れた機能性成分に注目!「フィトケミカル」
  3. 健康をサポートする話題の脂肪酸「必須脂肪酸」
  4. クロレラの独自成分「クロレラ・グロス・ファクター(C.G.F.)」

1.人間の体を作る「タンパク質」

クロレラのアミノ酸スコアは100!

人間の身体は約6割の水と約2割のタンパク質でできています。このタンパク質を構成しているのが20種類のアミノ酸で、その組み合わせによって私たちの身体は作られています。しかし、アミノ酸20種類のうち、バリン・ロイシン・イソロイシン・フェニルアラニン・リジン・メチオニン・スレオニン・トリプトファン・ヒスチジンの9種類は、人間の体内で生成することができません。これらは「必須アミノ酸」と呼ばれ、食事などによって摂取する必要があり、しかも9種類全てをバランスよく摂ることが望ましいとされます。なぜなら、前項の「ドベネックの桶」の例えでわかるように、1番少ないアミノ酸に合わせてタンパク質が作られるため、どれが不足しても合成効率が低下してしまうからです。

食事によって摂れるタンパク質には、肉や魚などの動物から摂れる「動物性タンパク質」と、大豆などの植物から摂れる「植物性タンパク質」の2種類があります。動物性食品から摂り過ぎると脂肪過多になる可能性があることから、植物性食品からタンパク質を多く摂るのが理想的です。植物性食品であるクロレラは、タンパク質含有量が大豆を上回る約60%で、しかも大豆と同じくアミノ酸スコア*が100の質の良いタンパク質を含むことがわかっています。

さらに11種類の「非必須アミノ酸」にも注目。非必須アミノ酸は、人間の体内で合成できますが、体内で重要な役割を果たしているものが多く、時に量が不十分になることもあります。クロレラには非必須アミノ酸もバランス良く含まれているため、円滑な生命活動に必要な成分を補うのに役立ちます。

*アミノ酸スコア…食べ物に含まれる必須アミノ酸が必要摂取量を満たしているかを数字で表したもの。必須アミノ酸9種類全てが一定の基準値を超えていれば100

2.優れた機能成分に注目!「フィトケミカル」

「フィトケミカル」とは、野菜、果物、豆類、いも類、海藻、お茶など植物性食品から発見された化学物質。植物が紫外線や有害物質、害虫などの害から身を守るために作り出した色素や香り、苦み、辛みなどの成分で、人間の体内では作ることができません。フィトケミカルは生命維持に必要な栄養素とは分類されていないものの、健康維持に役立つさまざまな機能が報告されていて、将来は栄養素として扱われるようになるのではと言われています。代表的なものとしては、ポリフェノール、カロテノイド、含硫化合物、テルペン類などがあります。

クロレラは、このフィトケミカルの中でもクロロフィル・ルテイン・βカロテンを多く含んでいます。それらの作用を詳しくご紹介。

3.健康をサポートする話題の脂肪酸「必須脂肪酸」

脂質・炭水化物・タンパク質は、日々の健康を保つための三大栄養素と言われています。脂質というと、健康に悪いというイメージを持っている人も多いかもしれませんが、脂質は効率の良いエネルギー源であり、身体を作ったり、臓器を寒さから守ったり、脂溶性ビタミンの吸収を促進するなど、健康を守るために欠かせない成分でもあるのです。

この脂質の主要な構成要素が脂肪酸です。脂肪酸には人間の体内で合成できるものとできないものがあります。アミノ酸と同じ要領で、体内で合成できないため食事から摂取しなければならない脂肪酸を必須脂肪酸と呼びます。

[n-3(オメガ3)系脂肪酸][n-6(オメガ6)系脂肪酸]

どちらも体内で合成できない必須脂肪酸で、植物や魚の脂に多く含まれます。n-3系はα-リノレン酸、n-6系はリノール酸がその代表で、身体の機能を調整する働きがあります。

[飽和脂肪酸]

体内で合成できる脂肪酸は飽和脂肪酸と呼ばれます。エネルギーとして使われやすく、乳製品、肉、ココナッツ油、ヤシ油などに含まれます。少なすぎても、過剰に摂っても健康面でデメリットが出る可能性があります。

4.クロレラの独自成分「クロレラ・グロス・ファクター(C.G.F.)」

クロレラには、その生命力に深くかかわる独自成分「C.G.F.(Chlorella Growth Factor:クロレラ・グロス・ファクター)が含まれています。C.G.F.は核酸やアミノ酸の複合体ですが、どの成分がどのように作用しているのか完全には解明されていません。しかし、わずか20〜24時間で4分裂する脅威的な増殖力の鍵を握る成分として、現在その構造や成分に関する研究が進められています。

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