人生100年時代に突入。ずっと健康を叶えるために見直したい「食生活」

2024年2月24日

医療の発展や衛生環境の発達で、おおよその人の寿命100年が夢ではない時代を迎えようとしています。けれど大切なのはその100年間をいかに「健康」で過ごすか。これから先の人生を見つめて「食」への投資もはじめてみませんか?

 

■目次

  1. 人生100年時代を生き抜くための投資とは
  2. 年をとると低栄養になる!?
  3. カンタン便利な食事の裏側に潜む「現代型栄養不足」
  4. 慢性的な栄養不足の解消を目指そう

1.人生100年時代を生き抜くための投資とは?

医療の発達や食、衛生環境の改善などで、人生100年が夢ではない時代を迎えようとしています。そのために必要なものといえば「健康」です。人は老いると身体にさまざまな変化が現れます。病気ではなくても、だるかったり、疲れていたり、どこかが痛かったり、そんな状態ではどれだけお金を持っていても幸せだとはいえません。長い人生を豊かで価値のあるものにするために、健康は不可欠なのです。

その健康を守るための基礎が、食事・運動・睡眠(休養)のマネジメント。こと食に関していえば、私たちの身体は自分たちが食べたものでできています。今日食べたものが、1ヶ月後、1年後、その先の未来の身体を作るのです。だからこそ身につけたいのは正しい栄養知識。栄養バランスの良い食を日々実践していくことは、「健康」という何にも代えがたい「富」を築くための「投資」になるのです。

2.年をとると低栄養になる!?

厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要」によると、65歳以上の高齢者で、BMIが20以下の低栄養の人は、男性で約1割、女性で約2割です。高齢者が低栄養に陥ってしまう原因は、加齢により噛む力や消化吸収が悪くなることで食欲が減退し、食事の量が減ったり、食事の内容に偏りが出てしまうからです。そんな状態が続くと体重の減少、体力の衰え、やる気の低下などが負の連鎖を起こし、筋肉量や身体能力が低下。徐々に要介護のリスクが高まってきます。 そうならないためにも、タンパク質やビタミン、ミネラルなど、毎日きちんと必要な栄養を摂るための食事プランを立てたり、サプリメントを活用するなど、積極的に栄養不足を防ぐよう心がけましょう。

3.カンタン便利な食事の裏側に潜む「現代型栄養不足」

低栄養はシニアだけの問題ではありません。飽食の時代と言われて久しい現代は、一見栄養不足とは無縁のように見えます。しかし忙しさに追われ、食に簡単・便利・おいしさを求めた現代人は、外食やファストフードやコンビニ食、加工食品につい頼りがち。確かに空腹は満たされますが、そんな食事ばかりでは栄養バランスに偏りが出てしまいます。 例えば、パン、おにぎり、うどん、パスタなど小麦や白米といった糖質を多く含む主食ばかりでお腹を満たしていては、身体を正常に働かせるために欠かせないビタミンやミネラルが不足します。また化学肥料を使って育てた野菜や、旬ではない時期に採れるように改良された今の野菜は、昔の野菜と比べると栄養価が低くなっているというデータもあります。簡単さや便利さばかりを求めた食生活を送る現代人は、身体に本当に必要な栄養素が不足し、不必要なものが過剰になっている「現代型栄養不足」だと考えられます。

4.慢性的な栄養不足の解消を目指そう

ビタミンやミネラルの補給対策として、厚生労働省が推奨する成人の1日あたりの野菜摂取目標は350g。しかし「令和元年国民健康・栄養調査結果の概要」によれば、野菜の摂取量の平均は、男性が288.3g、女性が273.6g、平均が280.5 gと十分量が摂れているとは言いがたい状態です。またここ10年の推移を見ても、数値はほぼ横ばい。慢性的に日本人は野菜摂取量の不足状態が続いています。ちなみに日本とアメリカの野菜消費量を比較してみると、近年は健康志向の高まりから、アメリカの野菜消費量が増大しているのに対し、日本の消費量は減少している傾向にあります。

農林水産省が野菜摂取目標350gを満たすおかずの例を提示しています。ほうれん草のおひたし70g、きんぴらごぼう70g、野菜サラダ70g、野菜炒め140g。1日3回の食事の際に野菜のおかず1〜2鉢を摂ると、目標摂取量をクリアできそうです*。

*農林水産省https://www.maff.go.jp/j/seisan/ryutu/yasai/2ibent.html 参照

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